2010/04/12

AEE Southeast Conference

前回からの続きです。
4月10日(土)
AEE(Association for Experiential Education)は、僕たちのような野外教育や冒険教育の研究者及び実践者による団体です。年に1回International Conferenceのほか、地域別のConferenceも開催しています。
今回はNCのBlack Mountainで開催されたSoutheast Conferenceに参加してきました。
ACAのConferenceのようにさまざまなWorkshopが用意されていて、興味のあるものに参加する形となります。
僕が参加したWorkshopの内容を簡単に紹介していきます。

8:45−10:15 An Adventure in Assessment
これはAdventure Programの評価をどのように行うかというSessionでした。なんとPresenterは昨日一緒にClimbingをしたGavin、彼が関わっているSouth Carolina UniversityのCampus RecreationのProgramを例に評価の一例が示されました。実はWorkshopに入る前に大きな問題が!
なんとProjectorが投影されない。PCを変えてもダメ、日本だったらきっと試写等を行い、スペアのProjectorも用意されてすぐに何とかなると思うのですが、対応に来た担当者ものんびりしたもの、「すぐ写るようにするから自己紹介でもしていて」みたいな軽い感じ、でも結局20分以上たっても直らず、結局人数も10数名だったのでPCの画面をみんなで肩を寄せ合って見ました。何だかGavinはちょっとやきもきしていたようですが、参加者も運営側ものんびりした感じでした。こんなのもアリですね。
その後Group別に評価の方法についてDiscussionをしたのですが、ちょうど高機能自閉症児やアスペルガー症候群の子どもたちを対象としたプログラムをしているLindaと出会い、いろいろな話をすることができました(もちろん評価の話だけではなく・・・)。

10:30−12:00 Where are the Instructors?
これは、OBSなどで行われているSolo ExperienceやFinal Expeditionという、Instructorが表に現れず、個人やグループのみで行う活動が参加者に及ぼす影響についての研究結果を中心に、それらのプログラムがどのような価値を持っているか、全員で話し合いをしました。若い学生たちを中心に「あ、きっとこの子たち、プログラムに参加してすごく楽しかったんだろうなあ」というキラキラした雰囲気だったのですが、地域でちょっと問題のある青少年を扱っている団体のおばちゃんが、「うちの子たちではこうはうまく行かないと思う、やはり、こういうプログラムに自分から参加するような子たちは始めから意識が高いからこういうPositiveな結果ばかりが出たのではないか?」という問いかけから、とてもいい議論になりました。Presenterもそのあたりの難しさは率直に認めていました。
話を聞きながら、自分たちが限られた時間の中で(人の一生に比べれば、僕たちが関わる時間はあまりにも短い・・・)、何ができて、何ができないのか、しっかりと押さえていくことは大事だよなあと思いました。
僕たちが自然の豊かな森を作りたいと思ったときにできること。きっと森ができあがるまでまで全てをいわゆるキャンプの中でできるとは思えません。でも、土地を耕して種をまくことまではできるのかなあ。それとも、ちゃんと育つようにビニールハウスをかけてあげるべきなのかなあ。
僕たちは、僕たちが行っているプログラムを通していろいろな可能性を秘めたさまざまな形や大きさの扉を用意しています。どの扉を開いて、どの部屋にはいるのか、それを参加者にゆだねるのがいいのか、「ここだよ」と扉を開けて手を引っ張って導いてあげるのがいいのか、とかいろいろなことを考えました。

13:30−15:00 Sccess in the Woods with Asperger's Students
最初のWorkshopで出会ったLindaによるSession。まずは全員で外に出て、それぞれ小さな紙を渡されました。そこにはアスペルガー症候群の子たちがよく見せる行動が書かれており、その役割を演じながらみんなでタープを張るという課題を行いました。これだけそろうと爽快だなあと思うくらい外から見るとまとまっていない自分勝手なGroupでしたね。
その後は室内でアスペルガーに関する詳しい説明や、プログラムにおける工夫などについての話がありました。Lindaからは、E-mailで質問してくれれば、できることはするというありがたい言葉をいただきました。
Talisman Programs(Lindaがディレクターをしている団体)

15:15−16:45 A Discussion on ADHD and the Benefits of Outdoors
なんとこのWorkshopを企画したのは、子どもの頃ADHDと診断された大学院生です。基本的にWorkshopは申し込み形式で基本的に誰でも行うことができるのですが、それにしてもすごいです。内容や進め方には若さがありましたが、とにかく自分から情報を発信したり受信しようというエネルギーはすごいなあと思いました。見習わなくちゃ。

全体的に参加者も若者が多く、NCAJの青年ミーティングみたいな雰囲気でした。ACAのConferenceでも思ったことですが、こちらの野外教育やキャンプの裾野の広さをしみじみと感じました。

今年こそはAEEのInternatinonal Conferenceに参加するぞ!
(会場はLas Vegasだし・・・?!)

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