2009/10/28

GIDI

TedはChallenge Course Programmingという授業を担当しています。これはRopes Course(木々の間、高さ10mくらいのところに主にワイヤーを使って張り巡らされたさまざまなコースを渡るというもの、このブログにはこの後必ず出てきますので詳しくはその時に)やTeam Building(チームワークを高めることを目的としたさまざまな活動)等の体験をするとともに、そのような活動の指導ができるようになることを目的とした授業です。
今回は、Team Buildingの活動を実際に指導してみるという授業内容です。

GIDIというのはGlow In the Dark Initiativeの略で、Tedが開発したTeam BuildingのProgramです。これは、夜行性のロープを張り巡らし、Teamで協力しながら暗闇の中でロープにさわらないように全員がスタートからゴールにたどり着くというものです。このような活動を知っている人なら、「クモの巣-Spider Web-」を3次元にしたようなものと思ってもらえばいいでしょう。もちろんロープを結ぶための木がたくさんある森の中などでもできますが、今回は室内で実施しました。

まずは準備から、みんなで協力してロープを張り巡らします。

途中、蛍光テープを貼ったフラフープなんかもつけていきます。

いろいろなものがぶら下がったり転がったりしています。これらにさわってもいけません。メンバーでコースを試してみます。これはなかなか難しい・・・

暗くするとこんな感じ、本当にきれいでした・・・ちなみにこの後の写真は露出等をいじって暗いところのものも写るようにしています。

今回GIDIを体験してくれるのはAthletics(日本でいうところの体育会ですが、スケールが大きいですね、このへんも追々・・・)の女子体操部のメンバーです。ACC(Atlantic Coast Championshipというリーグ)で優勝、National Chanpionshipへの出場を目指すような、わがNCSUで一番強いクラブの一つです。今回はそんなクラブの目標を大きなボールに託し、この目標も全員で協力しながら一緒にゴールに運んでいきます。

寝そべったり・・・

くぐったりしながら、全員でゴールを目指します。

悪戦苦闘しながら、だんだんゴールに近づいてきました。

何とか無事にゴールしました!
このようなTeam Buildingの活動の後にはDebriefingとかReflectingと呼ばれる活動を振り返る時間を持ちます。ただ単に活動をするだけでなく、その中でどのような出来事があったか、その時、グループのメンバーがどんなことを感じていたか、この経験は実際のどんな場面でどのように活かせるかなどをFacilitatorと呼ばれる指導者を中心に話し合っていきます。
ここでもさすがアメリカ、日本だったら様子見で最初は発言が殆どないようなことが多いのですが、こちらではみんな話す話す(もちろんいつも一緒に練習しているというのもあると思いますが・・・日本の体育会では多分最初はこのようにいかない気がします)、すごいなあと思いました。

準備も入れると5時間近くにも及んだこの指導実習、なかなか密度の濃いものでしたよ。最後の写真は頑張ったみんなの記念写真です。



2009/10/25

Canoe Field Trip

なんだか遊んでいるばかりのBlogになっていますが・・・日曜日、Basic CanoeingのField Tripに行ってきました。
これももちろん授業で、週1回2時間(他に体育では週2回1時間ずつというのもあります)、大学のプールや近くの池で8週ほど練習をして、Field Tripに出かけるというものです。近くの池に出かけるときには、大学所有の15人乗りのバン(こちらは15人乗りまでいわゆる普通免許で運転できます)にCanoeのトレーラーを引っ張って(このトレーラーも特別の免許なしでひくことができます)出かけていきます。
今回もご覧のような感じで今回のField Tripの目的地Harris Lakeに到着しました。本当は川下りをする予定だったのですが、川の水が少なすぎるという情報で、やむなく湖となりました。ちょっと残念ですが次回のお楽しみと言うことにします。

湖にCanoeを浮かべ、いよいよ出発です。積みおろしも準備も手慣れたものです。

僕のPartner、Johnです。ずっと彼とペアです。僕が見上げるくらい大きいNice Guyです。学部、学年も聞いたのですが、すっかり忘れてしまいました。

この日はあいにくの曇り空で、少し肌寒かったのですが(それでも元気な学生は半袖短パンでした)、紅葉真っ盛りの中、ツアーは続きます。

Class Mateが気を利かせて我が艇の写真を撮ってくれました。おじさんも若い子たちの中で頑張ってます。

岸にあがってLunchです。今日はベーグルのサンドイッチです。あらかじめ作ってあった物ではなく、野菜やハム、チーズなどを自分たちではさみます。先週のBackpackingも行動食やお弁当ではなく、コンロや鍋を使ってちゃんと調理しました。このへんが日本と違って何だか面白いなあと思いました。あと、Lunchに欠かせないのがChips、写真にも写っていますがポテトチップスです。日本ではおやつのイメージですが、サイドディッシュのような感じでUSAのOutdoor Lunchではつきもののようです。

昼食後はちょっと技術的なレッスン、Basic Canoeingの担当教員でぼくのSupervisorでもあるTedが見本を見せています。このときはたまたまシリアスな顔をしていますが、普段はとびっきり陽気なAmericanです。僕が大学院生のときに教員研修留学生として1年間一緒に机を並べていました。

この後はブイを回るTime trialとなったのですが、転覆してしまう艇も出るほど白熱したものとなりました。

川下りをできなかったのはつくづくも残念でしたが、これがBasic Canoeingの授業ということは、もちろん上のランクの授業もあります。名前はWhitewater Canoeing、急流を下るというこの授業、実は先週のBackpackingのField Tripと同じ時期に雪の中で川を下ったそうです(もちろんTent等全てCanoeに積み込んで、途中の河原で1泊!)。

ハンパないね!次はこれにChallengeの予定?!

2009/10/23

BackPacking

10月16日から18日まで授業でBackpackingに行ってきました。
場所はVirginiaにあるMount Rogers、標高は5,729 feet、ざっと1,750mといったところです。ところが当日の天気予報は雨から雪、結構寒い3日間になりそうです。Memberは、担当教員のTommyを入れて13名、果たしてどんなBackpackingになるのでしょうか?
16日に大学に集合して共同装備のパッキング、車で3時間ほど移動して登山口へ、途中までは晴れ間も見えたのですが、登山口直前で雨模様。雨具を着込んで出発です。この3日間で唯一の集合写真、アメリカ人は集合写真が嫌いなのかなあ・・・僕以外が撮ることはほとんどありません・・・

雨ながらも周りは紅葉が始まりいい感じ、日本の山に似ています。今日は1時間弱歩いてテントサイトへ。

このあたりはNational Recreation Areaに指定されているところで、特にキャンプ指定地があるわけではなく、どこにテントを張ってもいいそうです。気持ちのいい場所でテントを設営し、夕食。
近くにはだれかが作ったであろうCamp fireのSiteがあり、学生が上手にたき火をしていました。ちなみに、こちらではキャンプでたく火のことを全てCamp fireというそうです。決してそこでジンギスカンを踊ったわけではありません。

2日目は小雪で始まりです。今日は8 Mileほど歩きます。尾根にあがると、本当に美しい風景が広がっていました。すれ違った人が Beautiful World と言っていましたが、まさにその通り・・・

クモの巣に氷が張って・・・


葉っぱに白い飾りが・・・

赤い木の実がきれい・・・

途中でPonyたちに出会いました。このMount Rogersは半野生化したPonyがいることで有名なのだそうです。

3日目の朝、テントには雪が積もっていました。

授業の一環なので、もちろんLectureもあります。これは地図とコンパスの使い方の説明、これから地図とコンパスを頼りにGoalに向かいます。みんな真剣な表情です。

道なき道を進み・・・

無事にGoalに到着しました。下はいい天気でした。山頂付近の白と麓の赤、黄、緑のコントラストがきれいでした。

Backpackingは初めてという学生も多かったのですが、とても楽しかったと言っていました。寒いこと(0度以下になりました)を除けば、美しい風景、愉快な仲間に恵まれた楽しい3日間になりました。やっぱり山は楽しいなあ。




2009/10/22

WRMC



10月14日〜16日にかけてNorth CarolinaのDurham で開催されたWilderness Risk Management Conferenceに参加してきました。
これは、OBSやNOLSなど、北米の有名な冒険教育団体が中心となって、Outodoor Adventure EducationのRisk Managementに関するさまざまなSessionやNetwork作りのための企画などが行われるものです。
14日は授業、16日からBackpackingの授業のField Tripのため、15日のみの参加となってしまいましたが、さまざまな情報を得ることができました。
Conferenceは午前2 Session、午後2 Session(それぞれ1時間半)あり、「プログラム・マネジメント」、「危機管理と緊急時の対応」、「野外救急法」、「法と保険」、「スタッフの採用とトレーニング」、「フィールドにおける実際」、「最新のトピックス」などに関する内容からそれぞれ1つを選ぶというものでした。
僕が選んだSessionは・・・
1)Accidents in Outdoor Recreation Programming
実際の現場でどのような事故が多いのか、Speakerの実体験も含めた内容でした。後半はそれぞれの組織で事故や事故にはならなかったがヒヤリとした出来事などをどのように収集しているかについて、グループでディスカッションを行いました。その活動やその活動を行う目的のこともあるので、野外活動における事故を100%防ぐことはなかなか難しいのですが、野外での事故のデータを蓄積し、共有していくことが大事だなあと感じました。
2)Risk Alignment Series: Achieving Organizational Alignment Through Staff Management
組織がRisk Managementを考えるにあたって必要不可欠なのがStaff Management、Staff Managementを行う上でKeyとなる4つの領域、組織による予期、判断の成熟、行動の修整、工学的解決のそれぞれについて詳しい説明がありました。組織としてどのような危険があるかを予測し、その時にスタッフがどのような判断をし、行動するか、そしてその課題を解決するためにどのようなトレーニングをするのか、さまざまな情報機器やネットを利用した壊滅策についての提案がありました。な
かなかむずかしい内容だったので、Session中は半分ほどしか内容を理解できませんでした・・・トホホ
3)Medical Topics: New, Controversial, and Old
野外で起こりえるケガや病気に関するトピックスを扱ったSessionでした。今流行中のH1N1 Influenza から、頭部にケガをしたときの診断の基準、止血の方法、熱中症への対応まで、幅広く、そして実践に即した内容でした。特に北米では万が一のことが起こった際の搬送や避難にかなりの時間がかかることがあり、そのような状況で野外の指導者にどのような対応ができるのか、それによって救われる命、失ってしまう命があります。実践に直結する最新情報と言うことでたくさんの参加者がありました。
4)Conducting Internal and External Incident Reviews
事故やニアミスが起こった際に、
それをどのような手順で記録としてとりまとめ、組織のRisk Managementに活かしていくか、またその事故が死傷者や重大な後遺症を負うような重大なものであった場合、どのような形で外部に公表し、組織の外部から評価を受けるか、そしてその情報を業界全体として共有していくかについてPresentationがありました。1)とも関連しますが、やはり事故に関する情報を組織内だけでなくどのような形で共有していくかが大事で、その意味でもこのようなConferenceは重要な役割を果たしているんだなあと感じました。

その他にはさまざまな団体による展示コーナーもあり、パンフレットなどたくさん頂いてきちゃいました。
全体を通して感じたこと、まずは、さすがにOutodoor Adventure Education先進国、参加者も200名近くあり、さまざまな団体が参加しており、ビジネスとしても成り立っていることに感銘を受けました。もうひとつ、参加者がよくしゃべること、Speakerの質問にはちゃんと答え、わからないことがあれば、Speakerが話している最中でも手を挙げて質問すること、そしてそれに対してSpeakerもいやな顔一つせずに丁寧に答えること、自己主張の国なんてよく言われますが、多くの国から色々な人たちが集まっているからこそ、お互いの理解を深めるために、Communicationをとることが重要なんだろうなあ、なんて思いました。