2011/01/22

NOLS BC Ski Course (2) A life in snow

NOLS BC ski courseのご報告第2弾です。

9日間のBack Country生活のうち7日間は,自ら熱を産み出すのはCamp Stoveと自分の身体のみ。自分の身体を暖かくしておくこと(stay warm)がとても大事です。
そこで,今回はStay WarmのためのTipsを。
1)Layering
自分の体温を暖かくKeepするために必要なもの,それは衣類です。マイナス10度以下での活動とはいえ,Hike upやShoveling(シャベルで雪をかくこと)で汗をかいたりすることもしばしば。そこで重要なのがLayering(重ね着)になります。

・Base Layer:肌の上に着るもの。化繊の長袖シャツやアンダーウェアを着ます。大事なのは乾きやすいこと。吸った汗をすぐ外に排出するようにポリプロピレンやオーロン等の化繊,またはウールのものがよいです。綿のシャツは,汗を吸ってなかなか乾かず,体温を奪われてしまうため,Back CountryではDeath Clothと呼ばれています。肌触りが良くて気持ちがいいんだけどね・・・

・Mid Layer:Base Layerの上に着るもの。暖かい空気をため込んでおくことができるように,少しかさのあるものを着ます。フリースや薄手のダウンなど。あまり厚手のものにしてしまうと,細かい温度調節が難しくなります。ちなみにKazuはマイクロフリースのジャケットとソフトシェル・ジャケットをMid Layerにしていました(Hike up中はソフトシェルを脱ぐ)。

・Outer Layer:Insulationの上に着るもの。暴風・防水性のあるもの。Insulationの入っていないものの方が温度調節しやすい。ただし,これは基本的に活動しているときのLayering,これを全部着ても寒いことはたくさんあります。そこで登場するのが・・・

・Puffy Jacket & Pants:Outerの上に着るInsulation入りのJacketとPants。食事中や休憩中などはさっとこれらを着ます。フード付きが良いです。ダウンの方が少ないかさで暖かくコンパクトに収納することができますが,ぬれてしまうと保温性が全くなくなってしまいます。化繊のものがとーっても重宝しました。

これらの衣類を気温や活動に応じて調節しました。めんどくさがらずに寒くなったら着る,暑くなったらぬぐことをこまめにすることが大事です。

・足もと:BC ski Courseなので,もちろん活動中はスキーブーツ。キャンプ地に着いて履いていたのが,ダウンブーティーとアウターブーツ。スキーブーツはある程度タイトに作られているのずっと履いていると血行が悪くなり,寒さの原因となります。スキーのインナーの上からダウンブーティーを履き,その上にアウターブーツ。アウターブーツは防水性の素材でできたもので,その気になればスキーブーツの上から履くことも可能。足もとが暖かければ,かなり快適に雪の中でも生活することができます。これはホントに優れものでした。思わず勝ってきてしまいました(残念ながら現在は生産されていません)。

もちろん頭にはウールやフリースの暖かな帽子やネックゲイター,Balaclava(目出帽)が必需品です。

ちなみにKazuのLayeringは
上半身:長袖Under→マイクロフリース・ジャケット→ソフトシェル・ジャケット
→ゴアテックス・ジャケット→Puffy Jacket
下半身:CRXアンダーウェア→マイクロフリース・パンツ
→ゴアテックス・ビブ→Puffy Pants


ちなみにKazuが全て着込むとこんな感じ。


手前に見えているのがアウターブーツ。


これがSnow Cave 作成時の服装。ModelはSyde from Singapore。

2)暖かく過ごすために:キャンプに着いたら
・まずはPuffy Jacket & Pantsを着て暖かな身体をKeep。
・汗でぬれた靴下を乾いたものに履き替えます。はいていた靴下はBase Layerの上から肩にかけます。自分の体温で乾かす作戦です。これで寝る前にはかなり乾いています。
・もう一度スキーのインナーをはき,ダウンブーティー,アウターブーツの順番で履きます。これで足もとは完璧でした。

3)暖かく過ごすために:寝る前に
・まずは寝る直前に身体が暖まっていることが大前提。そうでない場合に身体を温める方法。暖かい飲み物を飲む。何か食べる(カロリーをとる)。運動する。Instructorは寒くなったらShovelingしろ,と言っていました。
・寝るための準備。寒さは外気よりも地面(雪面)から。従って,自分の身体の下に何を敷くかが大事になります。ちなみに今回は雪面の上に,防水性のシート→エンソライト・パッド→エアマットを敷きました。これで下からの冷えをかなり防ぐことができます。
・十分暖かい場合は着ているものを脱ぎます。脱いだものはパッドとエアマットの間に敷きます。
・靴下を厚手の暖かいものに履き替えてSleeping Bagの中へ。ちなみに,手袋も含め身につけるものはすべてSleeping Bagの中へ。さもないと凍ってしまいます。ちなみにKazuの寝るときの服装はマイクロフリースのジャケットにマイクロフリースパンツ。夜中にジャケットと靴下は脱いでいました。
・ちなみにスキーのインナーは脱いで,外に置いておきます。暖かく快適に寝るために寝るためだそうです。ちなみに起きてから着替えている間にSleeping Bagの中に入れておくとかなり暖まります。


実演中のAJ。

4)僕たちのすまい その1−Yurt−
僕たちが訪れたBack Countryは,Jedediah Smith WildernessというAreaで,Forest service(森林局)が管理をしています。このようなところでは,小屋やYurtなどをRecreationの目的で建て,予約をすれば誰でも使用することが可能です。僕たちが泊まったYurtは,ガスコンロ,全ての調理用具,薪ストーブ,2段ベッドまでそろったとても快適な場所でした。



中はこんな感じ。

5)僕たちのすまい その2−Snow Cave−
残りの6日間過ごしたのがSnow Cave,自分たちで横穴を掘り,その中で生活しました。


まずは,雪の斜面を選び,Probeで十分な深さがあるかどうか確認します。


そして掘り始めます。低い位置から掘り始め,居住部分を入口より上にすると,冷たい空気が下にたまるため,暖かい空気が室内に残りやすくなります。


横穴を掘り始めるJason from Utah。彼は職人でした(本当はぼくと同業者)。
Snow Caveの室内はある程度の高さが必要で(長い期間過ごしていると暖かさでSnow Caveが沈むため),しかも丈夫はきれいなドーム型にするのが強度的にも,水滴が垂れないようにするためにもよいそうです。
穴を掘るのも大変ですが,掘り出した雪を外に運び出すのもこれまたひと苦労。Teamworkが必要です。


様子を見に来たAJとお仕事中にポーズをとるKazu。メンバーを2グループに分けて,4名分の広さのSnow Caveを作ったのですが,我がSnow Caveはメンバーのこだわりのおかげでメンバー全員が入ってミーティングできるほどの大きくて快適なものとなりました。


外には立って調理ができるKitchenも作りました。ModelはTeo from California。


入口にはきれいな雪の結晶が。

実は雪の中ってあたたかいって知っていますか?もちろん0℃以上にはなりませんが,外がマイナス15℃以下でも室内はマイナス5℃以上あります。雪は断熱性があるからです。おかげで6日間とても快適に過ごすことができましたよ。

次回はBC Skiを楽しむにあたって必ず必要となるAvalanche(雪崩)についてまとめてみようと思います。

追伸
今まで2年間にわたって楽しんできたKazuのアメリカアウトドア三昧ですが,一区切りの時が近づいてきました。正式に帰国日が決まりました。3月4日にこちらを発ち,5日に帰国します。昨日,海外引っ越し用の(ヤマト)段ボールが届きました。
もちろん寂しさもありますが,ここで学んできたことをOutputしたい!という気持ちの方が強いかな。一区切りまでもう少しアウトドア三昧します!

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