2010/08/18

キャンプ・ロイヤル滞在記完結編 −スタッフの役割と働きぶり−

少し間が空いてしまいました。キャンプ・ロイヤル滞在記の最後は10週間にわたるタフなキャンプを乗り切ったカウンセラー、スタッフの話をしようと思います。
まず、このキャンプのTopがProgram Director(PD)のSaraです。このキャンプの最高責任者です。Program Directorとありますが、プログラムの指導をすることはほとんどありません。どうしてもうまくキャンプに適応できないキャンパーがいる場合にはSaraの出番となります。

じゃあ、誰がプログラムを指導するかというと・・・Activity Director(AD)たちです。10名ほどいる彼ら/彼女らは一度以上カウンセラー経験をしたことのある学生の中からSaraによって選抜されます。具体的な役割は、Medと呼ばれる薬の管理、Arts & Craftsの準備と運営、グループのリーダー、Morning ActivityやSpecial Eventの準備と運営など、全てのプログラムを彼らが準備し、指導します。

そして、キャンパーと直接関わるCounselor、キャンパーに応じて1人または2人のキャンパーと常に行動を共にし、一緒にキャンプを楽しみます。

その他に、場合によってHelperと呼ばれるいわゆるOB/OGたちが手伝いに来てくれたり、対応の難しいキャンパーがいる場合には、Training Weekの時にTrainerとしてきてくれたProfessionalたちがConsaltantとして参加したりします。

全てのスタッフのやるべき事があらかじめJob Descriptionとして書類になっています。キャンプ期間中も後ほど書きますが6日間のキャンプの中で1日のオフと1日あたり2〜3時間のオフがあります。日本の場合はなかなかオフといっても、ちょっと手伝おうなんてことになりかねませんが、こちらはオフの時はオフ、けっこうキャンパーの対応で大変なときでもきっちり休みます。この辺の切り替えはすごいですね。ぼくにはちょっと難しいかもしれませんが・・・

さて、キャンパーの割り当ては前の週の木曜日の夜に発表されます。金曜日に帰ってから日曜日の昼に再集合するまでの間にキャンパーの特徴やどれくらい生活上の活動(食事、着替え、トイレなど)が自立しているか、飲んでいる薬、好きな活動など、キャンパーに関するさまざまな情報が書かれているCamper Sheetをしっかり読み込んできます。
日曜日の午後3時から5時までの間にキャンパーがやってきます。Camper Sheetを元にここで親とコミュニケーションをとり、不明な点を明らかにします。初めてのキャンパーはSaraも会うのが初めて、その場合にはSaraも親とコミュニケーションをとり情報を仕入れます。親との打ち合わせが終わると荷物をキャビンに運んでプールに出かけます。このあたりのTransitionの仕方にすごく工夫が見られます。キャンパーによって適応する時間が違うことから、全員で集まるプログラムをせずに、キャンパーたちのほとんどが大好きなプールで買うウンセラーと仲良くなる時間を作り、夕食後に初めて全体プログラム、この頃にはほとんどのキャンパーがキャンプに「なじんで」きています。


月曜日から木曜日までは決まったスケジュール、詳しくはこちらを。
昼食後は1:15から2:45分までお昼寝の時間があります。このときには2つのキャビンにそれぞれ3名ずつNap Dutyと呼ばれる役割があり、キャンパーの対応は全て彼らが行います。Activity DirectorにもNap Dutyがあります。何かある場合には基本的にADが対応します。この間、他のカウンセラーたちはオフとなります。ADはカウンセラーと違い役割によって時間は変わりますが、もちろんオフがあります。

夕食後はSpecial Event、プールと続き、順番にシャワーを浴びて9:15に就寝、このときもNight Dutyと呼ばれるスタッフがキャンパーのキャビンに宿泊します。それ以外のスタッフはオフとなります。ちなみに全てのカウンセラーは1セッションに1日の休みがあり、Night Dutyの次の日がオフとなります。その代わりにフローターと呼ばれる決まったキャンパーを持たないカウンセラーがキャンパーと1日を過ごします。このように6日間×10週という長いキャンプを乗り切るわけですね。

その他カウンセラーの仕事としてDaily Note(DN)の記入があります。これはその日1日キャンパーがどんな活動をどんな様子で行ったか記録し、それをまとめて最終日にキャンプ期間中に作成したArts & Craftsの作品と共に渡します。キャンプ・ロイヤルではこのDNをとても大切にしています。彼ら/彼女らが、「どんな風に楽しんだか」、「どんなことができたか」を書きます。キャンプは「楽しいところ」なので、すべてPositiveに書くというのがお約束です。

最終日は午前中いつもと同じように活動を行い、昼食をはさんで最後の全体プログラムTalent Showがあります。これはキャンパー1人1人が彼ら/彼女らの得意なことを迎えに着ている親たちも含めたみんなの前で発表するというものです。歌ったり、楽器を弾いたり、バスケットボールをしたり、ジョークを言ったり・・・発表の後カウンセラーがキャンパーに手作りのAwardを渡します。



本当にこの5週間はぼくにとって大きなものでした。facebookの友達も一気に増えたし(笑)。キャンプという入口から障害のある人たちとの世界に入っていったKazuとしては、障害のある人たちとの関わりという入口からキャンプに入ってきた人たちと一緒にキャンプをすることは大きな刺激になります。どちらの入口から入っても、あのとき、個性豊かなキャンパーたちとめいっぱいキャンプを楽しんでいたというかけがえのない時間が味わえる。それはきっと「いろいろな」(英語で言うとDiversityということになるのでしょうか)人たちがその場にいるからなんだろうなあ、と思います。

来年の夏は、日本で、新しく、そんなキャンプをします!
いろいろなことが決まってきたら、せっかくなので何らかの形でweb上に公開していこうと思います。


ぼくがキャンプで一番好きだった1日のはじまりのプログラム、2010年、キャンプ・ロイヤル最後のShady Circle

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