2010/07/17

キャンプ・ロイヤル滞在記 ープログラム紹介ー

自閉症のある人たちのためのSummer Camp、キャンプ・ロイヤルに参加しています。
今回はプログラムを中心にその内容を紹介していこうと思います。

キャンプ・ロイヤルは、年齢や障害の程度に応じて10週に渡って行われます。1セッションが6日間、日曜日の午後にキャンパーが集合、金曜日の午後に解散、土曜日が休日で日曜日の昼にスタッフが再集合というスケジュールになります。
今回のWeek 6は、高機能自閉症のあるティーンエイジャーたちがキャンパー、言葉によるコミュニケーションが可能で、ある程度のスケジュールの変更にも対応できますが、特有のこだわりやそれに加えて、思春期というChallengeがあるとSaraは言っていました。
キャンパーは14名ほどのグループ2つに分かれ(このグループはさらに2つのサブグループに分かれます)、2つのキャビンで寝起きをします。日曜日と金曜日のスケジュールは少し違うのですが、それ以外は毎日同じスケジュールでプログラムが進んでいきます。スケジュールはこちら
では、写真を交えながらプログラムを紹介していこうと思います。


朝8:15に起床、8:30から朝食となります。食事は全てDining Hallでとります。Buffet形式となっています。今回は子どもたちが自分で好きなものを自分でとることができます。好きなものをとったら自分の席について食べ始めます。キャンパーの特性を踏まえ、今回はキャンパー2人にカウンセラー1人がつく体制となっています。



朝食後はPlaygroundに移動します。ここにはブランコや砂場、滑り台などが設置されています。プログラムからプログラムへの移行に工夫が必要な彼らには、移行のためのさまざまな工夫が必要となります(詳しくはまた書くことになるだろうと思います。)。Playgroundに立ち寄ってブランコや滑り台をすることもその工夫の1つです。


これはShady Circleという集い、ここでみんなで歌を歌ったりゲームをしたりします。ここから1日の活動がはじまるといった感じでしょうか。


これは、Shady Circleで歌う歌やゲームなどが書かれたカード、その活動が終わるとカードが外されます。あといくつ活動があるか見通しがたてやすいように工夫がされています。

Recreation
さまざまな遊びの時間、Morning Acgtivityという日替わりのプログラムとGym Timeという2種類の活動があります。
Morning Activity:日替わりの活動です。


キャンプ場内の池でボートに乗ったり


これはトレーラーに乗ってキャンプ場をTourするというHayRide。他にも今回は、鬼ごっこなどをしました。

Gym Time:身体を動かす時間です。


これはみんなでエアロビクスをしています。他にもサッカーをしたり、バスケットボールをしたり・・・

各グループごとに、Water breakをはさんでGym TimeとMorning Activityを入れ替えで行います。その後はArts & CraftsとPoolを入れ替えで行います。

Arts & Crafts


Photo Albumを作ったり、Tシャツ染めをしたり、1日に2回さまざまなクラフトを行います。1つ1つはそれほど難しいものではなく、貼り付けたり、色を塗ったりというわりとシンプルなもの、30分の時間の中で2つの作品を作り、それらは全てキャンプの成果として持ち帰ることになります。他には彼らの大好きなパズルやゲームをする時間もあります。
このArts & Craftsにはさまざまな構造化の工夫がされています。今回はそれほど構造化されていなくても活動ができるキャンパーだったので、構造化の工夫についてはまた紹介しようと思います。

Pool


このキャンプ・ロイヤルで一番長い時間行うプログラムでしょう。彼らはほとんどみんなプールが大好きです。ひとつにはとにかく昼間は暑い(40℃近くでしかも蒸し暑い、まるで日本の夏みたいです)こと、もうひとつには、水の感覚が好きなキャンパーが多いというのもあります。午前、午後、夕食後と3回Poolに入る機会があります。みんなで飛び込みをしたり、泳いだり、マットや浮き輪で遊んだり、みんな楽しそうです。

これで午前中の活動が一区切りです。昼食後は14:45までNap Time、お昼寝の時間となります。一部のスタッフを除き、スタッフも休憩の時間となります。

Group Challenge


このWeek 6ではGroup Challengeというプログラムがあります。これは、各グループで自分たちがやりたい活動を相談して決め、1日30分、4日間かけて行うというものです。



1グループは何かを作りたいと言うことで、自分のうちの庭で使う物、Wind ChimeとBird Houseを作りました。


2グループはSkits(その場で考えた劇のようなもの)をしたいということで、自分たちでエイリアンを考え、そのお面を作りました。このWeek 6は、キャンパー自身が自分たちで活動を考えたり、歌のリクエストをしたり、みんなの前でお話しやジョーク(こればかりは笑うポイントがよくわからないので、みんなが笑うのに合わせて笑ってみたりしています)を話す機会を作ったり、というような工夫がされていました。

夕食後はSpecial Eventです。これも日替わりのプログラムです。今回行ったのは・・・


キャンプ・ファイアー


地元の縄跳びチームが来て演技をしてくれました。その後はみんなで縄跳びタイム。


その後はPoolへ。
その後、シャワータイムとなり、キャビンに泊まり込みとなる一部のスタッフを除いて21:15にはスタッフもお役ご免となります。

ざっと駆け足でプログラムを見てきましたが、工夫されている点をいくつかあげてみます。
●1つの活動の時間が短い
それぞれの活動時間は30分、短い時間で集中して行うことができるように工夫されています。その活動で何を、どれくらい行うのか、どうなったら終わるのかがわかるようになっています(ワークシステムの活用:これも詳しく触れる機会があると思います)。
●移行の時間がとられている
活動の間にはWater BreakやSnack Timeがあり、これもスケジュールの中に組み込まれています。
●スケジュール通りに行われる
全ての活動が時間通りに行われます。スケジュールの変更は基本的に悪天のみ、幸いにも今回は雷雨等の悪天候がなかったため全てのプログラムをスケジュール通り行うことができました。やはり一番大変でキャンパーたちにとってChallengeなのはスケジュールの変更だそうです。

他にもスタッフの役割や、対象ならではの工夫など紹介したいことはたくさんあるのですが、今回はこれくらいにしておきます。

今回は本当にたくさんの写真を撮りました。整理してみたら1000枚以上!
とてもたくさんの笑顔を収めることができました。Private Policyはクリアしていますが、Blogに載せるのはちょっと自主規制します。

さあ、あと4週間、楽しむぞ!

2 件のコメント:

  1. 初書き込みです。楽しそうだね。
    こちらも昨日、行く為の手続きは整いましたよ。
    たのしみだな

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  2. なるほど、おもしろいですね。プールが良い節目になっているんですね。自閉症対象だからまあ当たり前なのでしょうが、見通しとかわかりやすい伝え方ということは誰しも必要ですよね。次は何かなのドキドキ感とか期待とかをどのくらいどの辺りで求めてみるかなんてことも提供する側が意図することが大事なのでしょうね。とても勉強になります。僕の施設の職員みんなにもぜひ観てもらいたい内容です。さて、いよいよ八月。オールドフレンド達もエンジン全開でやりますよ。

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