2010/07/10

Summer Camp for kids with Autism

7月5日から8日まで、Pennsylvaniaで行われたDragonfly ForestのSummer Campに参加してきました。このキャンプを知ったのは、2月のACA(American Camp Association)のConferenceで、Executive DirectorのFredが持っていたSessionに参加したこと。これがきっかけとなり、キャンプを見学させてもらえることになりました。


Dragonfly Forestは、深刻な疾病や障害をもった子どもたちのためのCamp for special needsとして、5年前に始まった、わりと歴史の新しいSummer Campです。ぜんそくや血友病、自閉症のなどの子どもたちを対象として1シーズンに5セッション行われています。
アメリカのSummer Campは独自の施設を持っているところが多いのですが、このキャンプは、Westtown SchoolというPrivate Schoolを借りて行われています。そう言った意味では独自の施設を持たないところが多い日本でも参考になります(とはいっても小学校から高校まであるこの学校の施設がまたすごいのですが・・・)。

それでは、写真を中心にキャンプの様子を紹介していきたいと思います(ちなみにPrivate Policyはクリアしています。Dragonfly Forestのwebsite、とにかくSlide showMovieなどが豊富です。是非是非一度アクセスしてみてください:残念ながらすべて英語ですが・・・)。


今回のセッションは自閉症を持つ子供たちのDay Camp、子どもたちは9:30から10:00の間に親の送迎でここまでやってきます。
親の引き継ぎを受けるカウンセラー、すべての子ども1人につき、1人の大学生がカウンセラーとして一緒に活動します。ちなみにカウンセラーがちょっとユニークな服装をしていますが、この日のテーマがSuper Heroだったからです。ちなみに、アメリカ人はこういったCostumeが大好きです。それとも、Camp Counselorといわれる人種が好きなのか・・・

ざっとプログラムを紹介します。
10:00- Activity Period 1
Sports & Rec, Arts & Crafts, Talent & Music, Waterfront & Nature, High/Low Course
11:15- Activity Period 2
Sports & Rec, Arts &Crafts, Pool, Talent & Music, High Low Course
12:30- Lunch
13:30- Free Select 1
Pool, Double Dutch & Jacks, Cartoon Drawing, Zoo, Cup Castle
14:30- Snack
15:00- Free Select 2
Pool, Scavenger Hunt, Paper Airplanes, Dance / Tea Party, Tag Games

午前中は年齢に応じて5〜10名程度に分けられたグループごとにさまざまな活動に参加します。ローテーションで各アクティビティをまわり、4日間で全てを体験することになります。
午後はグループにこだわらず、子どもたちが活動を選択して行います。基本的に全ての活動の時間は1時間で区切られています。ただし、Ropes Courseのみは2時間のアクティビティとなります。


これが中庭、まずはみんなここに集まり、そこから各活動に向かいます。各グループは色の名前がつけられていて、その旗の下に集まります。


これはWaterfront & Nature、主にCanoeとFishingを行います。学校の中に池もあるんです!


Pool、どのSummer CampでもSwimmingは大人気です。


Sports & Rec、これはArcheryをしているところ。ArcheryもTraditional Summer Campでは良く行われます。


これはParachute(日本ではパラバルーンなんて呼んでいるところもあります)。


これはArts & Crafts、この日はゾンビ・デイということでそれぞれFace Paintingをして、


指名手配書を作り、

ちょっと脱線しますが、ちなみに彼が持っているのはVisual Scheduleです。視覚からの情報が入りやすい自閉症の子どもたちのために(これは子どもには限りませんが)、何をどれくらい行い、どうなったら終わり、次に何をするか、といったことを文字や絵で表したものです。Camp RoyallではVisual Sceduleや構造化が徹底されていましたが、ここはもっと緩やかな感じです。


写真を撮ります。指名手配書に写真を貼ってできあがり。


Lunchの時間です。自分たちで食事を作ることはありません。


ぼくがここに来る目的のひとつだったRopes Course。Westtown SchoolはRopes Courseを持っています(10 High Course & 12 Low Course)。学校でOutdoor Education Directorを雇い、授業があるときには子どもたちを対象にしたプログラムやAthleticsを対象にしたTeam Building Programを、Vacationには外部のグループを対象にプログラムを行っているそうです。これはLow CourseにChallengeする子ども。


High CourseのCat WalkにChallengeしています。もちろんChallenge by Choiceなので、挑戦したいと思った子どもだけがChallengeします。中にはハシゴの途中で「降りる」と言い出す子もいますが、ファシリテーター(これも大学生)が必ず降りた後に「すごいなあ、あの高さまで登ったんだよ」などのPositiveなFeedbackをしていました。


これはBurma Bridge。


子どもたち大好き、Zip Line。


Giant Ladder、2人組で助け合いながら大きなハシゴを登っていきます。小学校低学年の女の子2人がChallengeしています。見事登りきりました!

子どもたちがRopes CourseにChallengeする様子を見られたのは良かったなあ・・・達成感とかChallengeする気持ちとか、誰にとっても大切なものなんだ。


1日の活動が終わり、親が待つParkingへ向かいます。

どんな形でキャンプが運営されているかここでちょっと触れておきます。
今回のセッションは、7名のDirectorがいて(いずれもCampを仕事にしている人たち、いつもは3名だそうです)、プログラムの企画やスタッフ・トレーニング、緊急時の対応等の役割を負います。
各グループ(ここではユニットと呼んでいました)にはキャンパーと一緒に活動するカウンセラーの他に、ユニット・リーダーがいて、グループを誘導したり、サポートしたりします。その他にプログラム・リーダーがいて、全てのアクティビティの指導を行います。


4日目の午後、最初で最後の全体で行うプログラム。なんとこれまでの間に全体で行うプログラムはひとつもありませんでした。日本でありがちな「はじめの集い」的なものも一切なし、いきなりアクティビティに入りました。
そして、最初で最後の全体プログラムはMessy Olympic!(意訳すればびしょびしょ・ぐしゃぐしゃオリンピックといったところでしょうか)
グループごとにさまざまなアトラクションをまわりますが、そのどれもがびしょぬれで汚れるものなのです!


これは、Water Slider、斜面に黒いプラスチックのシートを敷き、水を流して滑り台をします。


こんな感じで。


これはカウンセラーたちをびしょびしょ、ぐちゃぐちゃにしちゃおうというもの。容赦なくサワークリームをカウンセラーの顔に塗りたくります。


なぜかキャンパーたちもサワークリームまみれでいす取りゲームをしているところ。

こんな楽しいプログラムを見ながら、DirectorのSylviaと話をしました。Sylviaは、Camp for kids with AutismのDirectorで以前はノースカロライナ自閉症協会でも働いていたことがあります。Camp RoyallのSaraのこともよく知っていました。普段はNCのAshevilleで自閉症の各種サポートプログラムを行っているそうです。
このキャンプは始めてから5年になるけれども、最初のキャンプは病気を持った子どものプログラムだたそうです。1年ごとに自閉症のプログラム、ぜんそくのプログラム、というように対象のバリエーションを増やしていったそうです。
スタッフの確保は、FredやSylviaが近くのCollegeに行って募集をしたりするそうです。でもスタッフとしてきた学生に、「友達を誘って来年来て」というのが一番有効な人集めの方法だと言っていました。
最初のセッションが始まる前に5日間のスタッフ・トレーニングを行います。もちろん対象者理解等のセッションもありますが、彼女が一番大切にしているのは、「Camp Cultureを共有すること」だそうです。スタッフみんなが仲良く楽しそうにプログラムをしていると、それは子どもたちにも伝わる、といっていました。
普段自閉症のある人たちと接している彼女からこの言葉を聞けたことは、とてもよかったなあ。Camp Royallは、全てが構造化されたいわゆるSpecialなもの、なかなかすべてを取り入れるのは大変だなあ、というのがスタッフトレーニングに参加して思ったことでした。

でも、このキャンプはいい意味でおおらかでした。

Camp Cultureか、いい言葉だ、メモっておこう。

明日からはいよいよ5週間、Camp Royallに行ってきます。
またレポートします。

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